ピアノが弾けるようになる=楽しい?
こんにちは!
ピアニスト・ピアノ講師のんばんちゃんです。
三大ピアノ論争(ばんちゃん調べ)
- 電子ピアノ VS グランドピアノ・アップライト
- ハノン必要 VS 不必要
- バイエルは時代遅れ
見かけたことはありますか?
実はSNSでよく論争になっているんです。
今回は最近SNSで話題になっていた
『バイエルみたいに基礎練ばかりでは楽しくない』
という話について、私の気持ちを書いてみようと思います。
ピアノが弾けるようになることが生徒の幸せなのか?
ピアノが弾けるようになるために、ピアノ教室に通う。
当たり前ですよね。
『楽しくピアノが弾けるようになってほしい』
保護者も、講師も同じことを思っています。
しかし、生徒・保護者と講師の間では、少し違いがあるかもしれません。
楽しくピアノが弾けるようになる、とは
楽しくピアノが弾けるようになる
とは、どういうことでしょうか?
例えば、「エリーゼのために」などの有名曲をスラスラ弾けるようになってくれたら…とても嬉しいですよね。
ではここで考えてみてください。
エリーゼのためにがゴールだとしたら、それまでにどんなことが必要でしょうか?
講師の皆さんは色々浮かんできたと思います。
そして、それがとても大変な道であることも。
『なんとか弾けるようにさせてあげたい』
楽譜を読めるようにしてあげて
リズム感をよくして
テクニックを習得してもらって…
私も、『ピアノを弾けるようになってもらう』ために
自分の持つ引き出しをたくさん用意しました
ここに、最大の落とし穴があったんです。
ピアノが弾ける≒音楽を楽しめる
ピアノをスラスラ弾けることの楽しさを知っている私は、
『ピアノが弾けるようになること』
ばかりに目がいき、
『音楽の楽しさ』
を伝えることがおろそかになってしまっていたんです。
ピアノを弾かせるためには、譜読みやテクニックなど
正直楽しくないことがメインの指導になってしまいます。
もちろんピアノを弾く上で避けては通れません。
しかし、ここで”音楽の楽しさ”を伝えるかどうかで、
『ピアノが楽しいと思うか』
に大きな差が出てきます。
最高齢の生徒さんの言葉
私がこのことに気づいた出来事があります。
ピアノ講師1年目。引き継いだ70代後半の生徒さん。
弾いたことのある曲の中には、ショパンのノクターン第2番。なんとピアノを始めたの60代からで、音符も読めなかったそう。
初めてのレッスンの時聞いた『めぐり逢い』の演奏は素晴らしくて、忘れられません。
ある日のこと。
『私は楽しんで弾きたいだけだけら、そこまで難しいことはできないわ。』
生徒さんに言われてハッとしました。
あまりにも上手だった生徒さんに対する私の要求が
どんどん高くなっていたのです。
何を伝えるのか
『ピアノを通して音楽をもっと楽しんでほしい』
そんな願いを持って指導し始めたはずが、
いつの間にかピアノを弾かせることばかりに。
ただただ弾けるようになるだけの練習は、何も楽しくありません。
そこにどんな音楽があり、この先にどんな音楽が生まれるのか。
その楽しさを知らなければ、ピアノの練習は苦痛でしかないでしょう。
私はカリスマ講師ではありません。
生徒に寄り添って、音楽を誰よりも楽しむ。それだけは負けません。
音楽を楽しむレッスン。
そして音楽の楽しさがわかる演奏とトーク。
どちらも大切にして活動して行きたいです。